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2019年2月8日

第10回 電波が見つからない原因は?

AUT Cube2の電波が見つからない原因は、メイン電源が入らなかったことだと考えられますが、それはなぜだったのでしょうか。

開発過程を振り返ってみると、製作期間や評価試験の進捗管理などのプロジェクトマネジメントが完璧ではなかったかもしれません。学生たちにとっては、全員がはじめて挑戦するプロジェクト。さまざまな試験を行うために必要な期間や、ロケットに載せるためにはいつまでに完成させなければならないか、といったスケジュールを管理するのも困難な状況でした。

試作も含めて衛星開発の各段階で様々な不具合が発生しました。発生した不具合をその都度解消しながら、なんとか打ち上げにこぎつけましたが、電子装置やソフトを搭載した総合試験において見落としがあった可能性もあります。

現在もまだ、AUT Cube2の消息は不明です。しかし、今回の経験で、開発を行ってきた学生たちは多くのことを学んだのではないでしょうか。このような大きなプロジェクトに大学生が関わることは、なかなかありません。他大学では大学院生が取り組むようなレベルのプロジェクトです。ただ、JAXAとのやり取りや報道機関による取材の対応など、社会との接点を持つこともできました。困難や失敗を経験し、その反省をふまえて次に進むことは、卒業後の進路でも大きな糧となるでしょう。

打ち上げのパブリックビューイングで取材を受ける学生たち
九州工業大学での振動試験の様子

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