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2018年3月27日

第6回 ミッション4:「宇宙電波環境調査」

「宇宙電波環境調査」は、宇宙に飛び交う様々な電波の調査です。
宇宙にも地上と同じように様々な電波が飛び交っています。地球上から発信された電波も数多くありますし、宇宙の彼方から飛んできているものもあります。そのような環境の中で、交信のしやすい場所や周波数を探るのがAUT cube2の4つ目のミッションです。
ミッション3の「超低電力宇宙通信」にも共通する部分がありますが、深宇宙探査を行う際、弱い電波で地上と交信しようとすると、交信用の電波が周囲の電波の影響を強く受けてしまうことがあります。そのため電波環境をあらかじめ調査しておく必要があるのです。
調査するのは、短波放送などに使われるHF帯の電波や、テレビなどに使われるUHF帯の電波です。地上や天体が発するこれらの周波数帯の電波AUT cube2に搭載した受信機で受信し、地上と衛星の間の通信を妨害する電波がどの周波数か、あるいはどの場所から出ているか調べます。この結果を利用して、深宇宙通信に適した周波数を決定します。これにより、より弱い出力でも安定した通信を行うことができるようになると期待されています。
宇宙電波環境の調査は、今後は地上と衛星の間で信号を同期させる実験へと展開していくことが想定されています。これは、超低電力宇宙通信によるカードサイズ衛星の開発や、深宇宙の探査など、今後の宇宙研究の基礎を作っていくための大切なミッションです。

周囲の電波の影響を受けてしまうと通信に支障をきたす。

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